「メンターになりたい」「社内でメンター制度や1on1をもっと機能させたい」という方向けに、メンタリングの始め方と進め方の基本(2)

1. メンタリングを始める前に大事なこと

メンタリングを始める時に最も大切なのは、メンターとメンティのあいだに安心・安全な関係をつくることです。

  • 最初の1〜2回は、いきなり課題解決ではなく「お互いを知る時間」として使う
  • メンター側から自己紹介・キャリア・価値観・失敗談も含めてオープンに話す
  • 「この場は評価や人事とは切り離された、自由に話してよい場です」と明確に伝える

こうしたメンターの姿勢が、メンティの「本音を話してもよい」という感覚につながります。

2. 1on1メンタリング面談の基本の流れ

メンタリングの1on1面談は、毎回まったくゼロから話すのではなく、シンプルな型を持っておくと進めやすくなります。

  1. ウォームアップ
    • 最近の出来事、「嬉しかったこと」「しんどかったこと」などを聞く
  2. テーマの確認
    • 「今日はどんなことを一緒に考えたいですか?」とメンティに決めてもらう
  3. 深掘り(メンタリング対話)
    • 傾聴と質問を中心に、「なぜそう感じるのか」「他にどんな選択肢があるか」を一緒に整理する
  4. まとめ
    • 「今日の気づきは?」「次回までにやってみたい一歩は?」をメンティ自身の言葉で言ってもらう

この流れをベースに、メンターが状況に応じてアレンジするのが“メンタリングの進め方”の基本です。

3. メンターに求められる聴き方・問いかけ方

メンタリングでは、「何をアドバイスするか」以上に、「どう聴き、どんな質問をするか」が結果を左右します。

  • 傾聴

・相手の話を途中でさえぎらず、評価やジャッジよりも理解しようとする姿勢を示す

  • 共感

・「その状況だと、そう感じるのは自然ですね」など、感情に寄り添う一言を添える

  • 質問

・「あなたはどうしたい?」「他にどんな可能性がありますか?」など、メンティの思考を広げる質問を投げる

メンターがすぐに「こうした方がいいよ」と答えを言ってしまうと、メンティの自律性・主体性が育ちにくくなります。答えよりも、考えるプロセスを支えるのがメンタリングです。

4. メンタリングのテーマ例(悩みがない時でも使える)

「メンティが特に悩みを持っていない時、何を話せばよいか?」という不安もよく聞かれます。
その場合は、次のようなメンタリングテーマが有効です。

  • 仕事で「最近うまくいったこと/うまくいかなかったこと」
  • 自分の強み・得意なこと、逆に苦手だと感じていること
  • 今の部署で経験したいこと、1〜2年後にどうなっていたいか
  • キャリアや働き方についてのモヤモヤ・違和感
  • 人間関係やコミュニケーションで気になっていること

こうしたテーマを使うことで、メンターとメンティは“悩み相談”に限定されないメンタリングを行うことができます。

5. メンタリングを継続するコツ

メンタリングは1回の面談で完結するものではなく、継続することで深まり、効果が高まる活動です。

  • 面談のたびに「今日の気づき」「次回までの一歩」を一言メモしておく
  • メンターはそのメモを次回の1on1の入り口として活用する
  • メンティの小さな変化や努力を見逃さず、具体的にフィードバックする

この積み重ねが、メンティにとっての「安心できるメンター」「相談したいメンター」という信頼感につながっていきます。

今回は、メンタリングの始め方・進め方の基本を紹介しました。次のテーマでは、「シニアメンターとしての関わり方」や「メンター養成講座で学べる具体的なメンタリングスキル」についてお伝えしていきます。